蒲生五郎兵衛郷治(上坂源之丞)、数十年に渡り、関心を持ち続けて来た我が父祖の一人である。昨日、幸運にも、彼の新たな消息を知る機会を得た。勉強会、研究会といった場に足を運ぶことのない私が、何故か出かけたのである。それも、長駆出張して・・・・・。
宇都宮匡児氏の「蒲生家分限帳諸本について」の講義は、まさに、私の望むものであった。奇しくも、そこで、五郎兵衛老が登場したのである。
講師の宇都宮匡児氏、伊予史談会会長の高須賀康生氏を始め、当日例会を準備された皆様に、記してお礼を申し上げる。
合掌。
写真の書冊は、嘗て(1987年10月26日)、私が子供たちの為に刊行した「氏郷記」である。
補遺
我が幼少の折、父祖の物語に再三にわたって登場したのが、蒲生氏郷候とその旗下の武将たちであった。蒲生氏は、我が父祖、上坂氏と古い縁戚関係にあり、その為か、候は、その家臣団に、上坂兵庫頭家系統の武将を何人か抱えたようである。上坂兵庫頭、上坂左文(蒲生郷可)、上坂源之丞(蒲生郷治)等である。 彼らは、氏郷候と共に、戦国末期の戦野を雄雄しく駆け抜け、亦、建設期に入った江戸初期にあっては、藩政の中枢を担った。斯様な彼ら上坂氏一門の活躍を詳細に伝える「氏郷記」の復刊は、小会がどうしても果たしたい夢であった。先日、史籍集覧を復刻した出版社の方にお伺いしたところ、明治十八年刊行の和綴本のリプリントならば、著作権にも抵触しないというお話であったので、少部数に限り復刊、小会の理想日本リプリントに収録することとした。併せて、小会図書収集部所蔵の「蒲生軍記」「蒲生氏郷記」「蒲生家侍帳」等の公開も進める所存である。
本書の復刊にあたっては、小会図書収集部所蔵本の電子データを使用した。用いたテキストは、明治十八年に、近藤瓶城氏が刊行した「史籍集覽」所収の「氏郷記」。その法量は、縦18.4cm、横12.4cm。その表紙には、紺色の和紙が使用されている。
合掌。