早朝から隣県へ出張、所用を終え蜻蛉帰りした私は、行き付けの骨董屋に寄った。塗り物(輪島)を見た後、和本の出物はないかと探した処、一冊の書冊が眼に映った。お目当ての和本ではなかったが、ドルメンの創刊号があったのである。
ドルメンは、東京の岡書院が、昭和七年四月から刊行を始めた「人類學、考古學、民俗學並に其姉妹科學にたづさはる諸學究の極く寛いだ爐邊叢談誌」である。執筆者には、あの花祭の著者、早川孝太郎もいた。此れは、良い邂逅、良い買い物であった。
因みに、本書の法量は、縦22cm、横14.8cmである。
合掌。
追記
巻頭論文「長安の春」の著者、杜邨生は、石田幹之助氏(当時、東洋文庫主任)の筆名である。
合掌。
補遺
長安の春(本書第一頁)右に付された冊子刊行の辞を以下に引用する。
合掌。
「ドルメン」は人類學、考古學、民俗學並に其姉妹科學にたづさはる諸學究の極く寛いだ爐邊叢談誌である。
其処には黨心偏念なく、靄然たる歓談漫語の裡に智識の交詢が自ら行はれ、和やかにして然かも豊かなる、斯學界唯一の公機たらしめん事を企圖する。
されば一方本誌は斯學界消息の調査報導には特に多くの力を注ぐであらう。従って斯學界の刊行物は固より、更に斯學方面の出版界消息の報導も亦本誌の使命とする所である。
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